わかりやすい日本語を書くために
日本語特有の曖昧表現

仮名交じり文からくる曖昧さ

日本語で使われる漢字は「表音表意文字」といわれます。実はこの表意文字という特長が、長所でもあり、短所でもあるのです。漢字を見ていると何となく意味が分かったような気がして、漢字仮名交じり文では、正確に分かっていなくても、分かったような気になってしまうことがあります。これは読み手側への影響ですが、書き手にとっても同様のことが発生します。時間と時刻、原因と理由、場所と場面 など、普段意識していないときちんとかき分けることができません。なんとなくどちらも同じような意味だろうという思いこみが文章を曖昧に、分かりにくくしてしまいます。「漢字の感じにだまされるな」、ということです。
漢字の感じで混同してしまいがちな語句として、戦略・戦術、政治・政略、目標・目的、組織・機構、特性・特色、財務・会計などがあります。これらの言葉は、使う本人がはっきりと言葉としての違いを認識できていないのであれば、使わない、というのも分かりやすい文章を書くためのテクニックとなります。反対に漢字が含まれていないと日本語は読みにくく、分かりにくくなってしまいまうことがあります。
「 うらにわにはにわにわにはにわにわとりがいる」
裏庭には二羽、庭には二羽鶏がいる
「もももすももももものうち」
桃も李も桃のうち
どうでしょうか。適宜、漢字を使うことで読みやすく、分かりやすくなるのですが、それでも漢字の利用には最新の注意が必要となります。それは、使える漢字にルールがあるのです。基本は、常用漢字を使う、ということです。常用漢字は、昭和56年10月1日に内閣告示第1号をもって示された「常用漢字表」に掲載されている漢字を指します。常用漢字表は、一般 社会における漢字使用の目安であって、個々人の漢字の使用を制限するものではありません。しかし、義務教育課程で学習する漢字が、ほぼ常用漢字に限られることを考えると、不特定多数の人を対象にした情報は、常用漢字の範囲内で記述されることが望ましいでしょう。
インターネットのコンテンツも、読んでもらうために発信するのであれば、特段の意図がない限り、常用漢字表を基準とするのがよいと思われます。 しかし、常用漢字表以外の漢字を新聞では使っています。
・表外漢字
磯、牙、瓦、鶴、釜、玩、臼、脇、錦、駒、詣、拳、鍵、虎、虹、柿、餌、腫、袖、尻、腎、須、腺、曽、誰、酎、賭、瞳、頓、丼、謎、鍋、汎、斑、枕、闇、妖、嵐、呂
・表外訓
証(あか−し)、癒(い−える、い−やす)、粋(いき)、描(か−く)、要(かなめ)、応(こた−える)、鶏(とり)、館(やかた)、委(ゆだ−ねる)
これ以外にも表外漢字字体表として1022文字が決められています。詳細は、

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/kokugo/toushin/001218c.htm#2

に掲載されていますので参考にしてください。