わかりやすい日本語を書くために
わかりやすい文章の条件

日本語にはこれが正しい書き方というルールがない

残念なことに、日本語を書く上で、これが唯一無比のルールはありません。もちろん、文法はありますが、それとて全てを包括するようなものではありません。助詞の使い方、句読点の打ち方など、基本的な使い方はあっても、こう使わなければならないという厳密なものではありません。つまり、日本語は大変曖昧なルールの上に成り立っている言語なのです。ということは書き手の力量 によって同じことを書いても、分かりやすい、分かりにくいの差が出る言語ということになります。小説や詩歌を書くのであれば別 ですが、美しい文章、優れた文章を書く必要はありません。あくまでも分かりやすい日本語を書く、ということが目的ですので、基本的な約束事だけをしっかり守ることで、第一ステップをクリアーすることが可能です。正しい書き方がないことによって、同じ文でも意味が全く異なってしまうことが日本語では発生します。

二人の子どもを連れた母親が来た

この文章は日本語として間違ってはいません。しかし、受け手によって二つの意味が出てしまいます。

・二人の子どもを連れた母親が来た
・子どもを連れた二人の母親が来た

元の文は、日本語として間違いはないものの、大変分かりにくい文章ということになります。
では分かりやすい文章の条件とはどのようなものでしょうか。実は、この「分かりやすい文章の条件」という文も、曖昧なものなのです。その理由は、「わかりやすさ」の基準が受け取る人によってまちまちだからです。しかし、分かりやすい文章を書くための方法がないわけではありません。文章を分かりやすくするために、

・むつかしくない漢字を使う(筐体:きょうたい)
・読み方がひねっていない漢字を使う(就中:なかんずく、流石:さすが)
・分かりやすい用語を使う
・分かりやすい文

といった点に注意する必要があります。これ以外に、読み手の立場を考え、

・読み手の生活年齢
・読み手の経験の背景
・読み手の読書力の程度
・読み手の情報の安定
・読み手の読み取り方
・読み手の語彙力
・読み手の持つ言語形式の知識
・読み手の読む意欲

といったことを念頭に置きながら文章を書くだけで、分かりやすい文章になると思われます。