わかりやすい日本語を書くために
文章表現

句読点 、括弧の使い方(区切り符号)

句読点の使い方を定めた文書が文部科学省から出されています。しかし、この文書は今から55年も前に出されたもので、文部科学省で編纂、作成する各種の教科書や文書などの表記を統一するために編纂されたものです。つまり、戦後の教育で使われてきた教科書は、このルールに則った文章で構成されているということです。長い日本語の歴史からすれば半世紀はそれほど長い時間ではないでしょうし、明治時代初頭のように大きく言葉が変化したわけではありませんので、現在でもこのルールブックが使われているのでしょう。
この文書には句読点と符号の利用方法が記載されていますが、皆さんは句読点の種類がどのくらいあるのかご存じですか? 日本語を使っている以上、いくつかは知っているでしょう。また、なんとなく使えています。でも、それが本当に合っているのか、それを確信している人は少ないはずです。次にあげる句読点は、その代表的なものです。

(1)
句点
「。」「.(英文)」
(2)
読点
「、」「,、(横書き、英文)」
(3)
中点
「・」
(4)
波ダッシュ
「〜」
(5)
矢印
「→←↑↓」
(6)
三点リーダー
「……」
(7)
棒ダッシュ
「──」
(8)
一字ダッシュ
「─」
(9)
ハイフン
「‐」
(10)
二重ハイフン
「=」
(11)
疑問符 
「?」
(12)
感嘆符
(エクスクラメーション・マーク
「!」
(13)
ひとえかぎ
「」
(14)
ふたえかぎ
『』
(15)
ノノかぎ
“”
(16)
ダブルコーテーション 
""(横書き、英文)
(17)
パーレン
()
(18)
ブレーズ
{}
(19)
山パーレン
〈〉
(20)
きっこう
〔〕
(21)
ブラケット
[]
(22)
コロン
「:」(横書き、英文)
(23)
セミコロン
「;」(同上)
以上が句読点(符号)の一部です。実に多くの符号があります。パソコンを使っている方ならご存知だと思いますが、パソコン内に収録されている記号は多種多様です。その数を把握している人がいるのか疑問になるほどです。もっとも、その中で実際に使用するのはごくわずかしかありません。これらの句読点の中でも使用頻度が高いのは、「句点(。)」と「読点(、)」でしょう。なにせ、一文の最後には必ず句点がつきますから。句点、読点を説明すると、

「句点」……文章の終わりにつける。
「読点」……文中の区切れ、間につける。

となります。問題は「読点」をどう付けるかです。句読点の説明するときによく使われる文に、
「ふたえにしてくびにかけるじゅず」
があります。記憶が曖昧なのですが、一休禅師が出した頓智の一つという話を聞いたことがあります。まず間違いないのは、一番最後に句点(。)がくることです。これを間違える人はいないはずです。では、読点(、)はどこにくるのでしょうか。考えられるのは二カ所です。

「ふたえにして、くびにかけるじゅず。(二重にして、首にかける数珠)」
「ふたえにし、てくびにかけるじゅず。(二重にし、手首にかける数珠)」

読点を付ける場所によって、書かれている文の内容が変わってしまいます。この例のように、読点の位 置によって意味が全く異なってしまうこともありますので、読点の使い方には注意が必要です。しかし、どこで打つべきかか、断定できるわけでもありません。しかし、読点は基本的に自由につけられるものだから、どこにでも、というわけではありません。ではどこに読点を打てばいいのでしょうか。
接続詞の後には、読点を打ちます。文のはじめの「しかし」「だから」「つまり」などの後です。しかし、助詞の後には読点を打つ場合と打たない場合があります。「のに」「ので」「たら」「から」などの接続助詞の後には、読点を打ちます。「は」「も」「こそ」「さえ」などの後にも、読点を打ったほうがいいでしょう。「が」「を」「に」「で」などの場合、その助詞の前に名詞句(節)がある時は、打ったほうが読みやすくなります。また、「に」「で」が、場所や時間を表す場合も、読点を打ったほうが読みやすくなります。それに対して、助詞「と」「や」「の」などが、名詞と名詞をつないでいる場合には、読点を打ちません。以下に、ある程度の目安として、打った方がいいもの(場所)を紹介します。
1. 文章の区切り
2. 間を表すとき
3. 長い修飾語をもつ主語、長い述語をもつ主語のあとに
4. 並列の語句のあとに
5. 接続の語句のあとに
6. 感動詞のあとに
7. 語や意味を取り違えやすい場合
また、書き上げた文章を声を出して読むと、読点の場所が適切かどうかの判断を助けてくれます。自然に読め(息継ぎを含めて)、聞いている人がきちんと内容を理解できるかどうか、を指針にするといいでしょう。この句読点の使い方で一番混乱しているのが、「」の末尾に句点を打つのか、「」の外に句点を打つのかです。文科省の資料では「」の中でも文の終始には「。」を打つとされています。つまり、

「今日は仕事だ。」と彼はいった。

のようになります。